第1話 空
その日の空は透き通るような青だった。
梅雨の明けた次の朝と言うのはこうも暑いものなのか。
ぼんやりとしながら朝食を作る、身支度をする。
ーーーーーー朝は苦手だ。
何かが始まる中で、一歩踏み出すのはとても勇気がいる。
それが例え1日という時間の中を進んでいくことであっても。
勇気を持つ者は周りの持たない者達の注目が集まり、惹かれるものである。
しかし一方、勇気を持たない者はその逆である、悪なのだろうか。
ーーーーー否、一歩を踏み出せばそれぞれの才能を開花させる。勇気のある者と言うのは「勇気」と言う才能を開花させているに過ぎない。もちろん、勇気が悪である時もあるのだから。
そう、聖那に足りないものは
「勇気」
彼女にとって1日生きることであっても夢の中であっても、何事にも関与しない傍観者にあることに、少しの変わりがない。
ーーーーーしかし、そんな彼女にも
「夢」の中の彼に。
いつか。
会いたい、と思う。
それが彼女にとっての大きな「希望」であり、その時が来るまでに「勇気」をとっておこうと思う。とっておくよりも、出さなければならないのだが。